消えてしまった「非熱式脱毛」

美容脱毛にかんする女性の関心やニーズはいつの時代も非常に高いものです。そしてそれに応える形で脱毛技術の研究・開発も盛んに行われていますが、その中には消えてしまったものも少なくありません。

 

「非熱式脱毛」も消えた技術の一つです。これは大豆イソフラボンを利用した脱毛法で、数年前に大きな話題になったものでした。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た化学構造を持った成分で、そのため体内でエストロゲンと同じような働きをします。エストロゲンは体毛を薄くしたり、毛質を細くやわらかくする働きがありますから、この成分を毛根に浸透させることで、ムダ毛が徐々に薄くなっていくというのが、非熱式脱毛の理論でした。脱毛法と書きましたが、正確に は「抑毛法」と呼ぶべき施術です。

 

「非熱式脱毛」に使われる大豆イソフラボン

 

施術は、イソフラボンが入ったジェルを患部に塗り、マイナスイオンをあてて毛穴を開かせます。ジェルが毛穴の奥まで浸透したら今度はプラスイオンをあて、毛穴を閉じます。市販の抑毛ローションを塗るよりは、かなり凝った施術ですね。

 

「非熱式脱毛」という名称は、高い熱を施術に高温を使わないことからきています。レーザー脱毛や光脱毛では、ムダ毛を脱毛させ、毛の再生を抑えるために、毛根に高い熱を加えますが、これが、強い痛みや、火傷などの肌トラブルを引き起こす要因にもなります。非熱式脱毛はこうしたリスクがまったくなく、肌に負担をかけない脱毛、という点が一番の売りでした。
ムダ毛処理はどれも何らかのトラブルがともなうものですから、肌 に優しく、トラブルのない脱毛、という非熱式脱毛の特徴は、多くの注目を集めたようです。ただ、理論としては見るべき点もありますが、肝心の脱毛効果があまりにも低かったのですね。

 

体毛の再生力はかなり強いです。レーザーのような高温で焼いても再生されることがあるくらいですから、イソフラボンを塗って再生機能を弱らせるというのはやはり無理があったようです。光脱毛などよりは料金は安価でしたが、いつまで通えば効果が現れるかという保証が何もなく、ギブアップした人が非常に多かったのでした。
非熱式脱毛を採用していたサロンも次々と手を引き、現在は確認できる限り、続けているサロンはなくなってしまったようです。